脳外傷・高次脳機能障害(5)

・軽傷頭部外傷後に遷延する精神障害の扱い

 

 近時、世界保健機関(WHO)の共同特別専門委員会(タスクフォース)が、2004

年以前に発表された様々な定義によるMTBI(mild Traumatic brain injury)につい

て系統的文献レビューを行い、それを踏まえて提唱したMTBIの定義(以下「WHOの

診断基準」)が存在することを理由として、受傷直後の意識障害が軽度で、画像所見がな

くても、脳の器質的損傷による障害が残存する場合があると主張する見解があります。

 この問題について、「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムの充実について」

(報告書)は、「軽症頭部外傷後に1年以上回復せずに遷延する症状については、れが

WHOの診断基準を満たすMTBIとされる場合であっても、それのみで高次脳機能障害

であると評価することは適切ではない」として、同診断基準を満たす場合に、直ちに脳外

傷による高次脳機能障害として等級評価を行うことを明確に否定しました。他方で、「た

だし、軽症頭部外傷後に脳の器質性損傷が発生する可能性を完全に否定することまではで

きないと考える。したがって、このような事案における高次脳機能障害の判断は、症状の

経過、検査所見等も併せ慎重に検討されるべきである。」とも述べています。このように、

自賠責保険は、軽症頭部外傷後の遷延する精神障害については、画像所見、意識障害、発

時期、検査所見等をふまえて、事故による器質性精神障害であるか否かを判断するとい

う、これまでと同様の検討を行うことを確認したと思われます。  

                                      以上

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