入院・通院治療等の費用

 以下では、人身事故に遭い、治療費等を計算する際の注意点等をQ&A方式で紹介します。

 

Q1

  交通事故に遭いました。治療費の支払いが制限されることはありますか。

 A

 原則、治療の必要性・相当性が認められれば、実費全額分が支払われます。

 ただし、事情によっては、

・医学的必要性のない診療行為を行う過剰診療

・社会一般の診療費水準を著しく上回る高額診療

                                        etc

と判断され、支払いを拒否されることがあります。

 

Q2

  入院中特別・個別室を使用しました。この場合特別室の利用料は認められますか。

 A

  認められることもあります。

  例として、

・医師の指示があるとき

・症状が危篤状態にあるとき

・空室がないとき                                      

            etc

上記の事情があれば、個別・特別室の使用料も損害として認められます。 

 

Q3

  症状固定日以降の治療費の請求は認められますか。

 A

  原則として、認められせん。

  しかし、症状固定後でも症状の内容、程度、治療の内容により、症状の悪化を防ぐ等の必要が認められれば、「将来治療費」等として認められることもあります。

 

Q4

  通院の際、何度かタクシーを使用しました。ところで、このタクシー代についても、交通費として認められるのでしょうか。

 A

  本件のように公共交通機関の料金水準を(相当程度)超える交通費については、相当性がない(※)と判断されれば、電車・バスなどの公共交通機関の料金水準まで制限されます。

※怪我の程度や、交通機関の便などの事情から判断されます。

 

Q5

 通院を自家用車でしました。この場合も交通費の請求は認められますか。

 A

 認められます。

 本件のように自家用車を使用した場合、ガソリン代・高速道路代・駐車場料金等の実費相当額を具体的資料に基づき算定する必要があります。

 

Q6

 付添看護費用が認められるケースについて教えて下さい。

 A

 原則として、医師の指示がある場合、あるいは、受傷の部位、程度、被害者の年齢等から必要かつ相当と認められる場合に認められる傾向にあります。

 例えば、重篤な脳損傷や脊髄損傷、上肢・下肢の骨折のため身体の自由がきかない状態の場合や、被害者が幼児・児童の場合に付添の必要性を認める例が多々みられます。

 

Q7

 交通事故被害者の看護のために、親族が海外から帰国しました。その際の費用は損害として認められますか。

 A

 障害の程度により、近親者の看護が必要な場合には認められます。

                                                                

                            以上

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