信号機がない十字路交差点事故(狭路単車と広路自動車)
Q
信号がなく、見とおしが悪い十字路交差点で、単車と自動車の衝突事故が起きました。
具体的には、南から北へ直進する単車(以下、「狭路単車」といいます。)と、東西を直進する自動車(以下、「広路自動車」といいます。)との衝突事故です。
なお、単車は狭い道路を走行し、一方で自動車は明らかに広い道路を走行しており、交差点内で衝突しました。
この交差点には、一方に優先道路や一時停止などの規制は存在しません。
この場合の過失割合について教えてください。
A
基本、以下の過失割合になります(明らかに広い道路とは、交差する道路の一方の幅員が他方よりも明らかに広い道路をいい、車両の運転者が交差点の入り口において、客観的にかなり広いと見分けられるものをいいます(道路交通法第36条第2項、第3項)。)。
①狭路単車と広路自動車の速度が同じ場合→狭路単車60%、広路自動車40%
②狭路単車は減速あり、広路自動車は減速なしの場合→狭路単車50%、広路自動車50%
③狭路単車は減速なし、広路自動車は減速ありの場合→狭路単車75%、広路自動車25%
上記の基本割合を前提に、狭路単車の明らかな先入の有無、双方の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます(上記事故の場合、狭路単車は通常、低速度で進入し、交差点が長いためほとんどの場合先入の状態と考えられますが、これらの全てが修正要素となるわけではありません。広路自動車が制限内速度で走行し、狭路単車が交差点に進入した時に、広路自動車が直ちに制動又は方向転換の措置をとれば、容易に衝突が回避が可能であるにも関わらずこれを怠った場合にはじめて過失割合の修正要素の対象となります。)。
なお、狭路側の道路に一時停止の規制がある場合や、広路側の道路が優先道路の場合は上記基本割合の対象外となります。
また、狭路単車が既に交差点内に入っている状態で停止しているところへ、広路自動車が衝突したような出会い頭の事故と評価し難いケースは上記基準の対象外です。
以上
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