交通事故Q&A 歩行者と自転車の事故(横断歩道手前の事故3)

信号機の設置されている横断歩道直近の事故


 道路上で、歩行者と自転車との衝突事故が起きました。
 具体的には、信号機がある交差点で、対面信号(歩行者の正面)が赤信号のときに横断歩道外の場所を渡ろうとした歩行者(以下、「歩行者」といいます。)と、青信号で交差点に進行してきた自転車(以下、「自転車」といいます。)との衝突事故です。
 なお、歩行者と自転車が衝突したのは、自転車が横断歩道を通過する手前です。
 この場合の過失割合について教えてください。 


 基本、歩行者80%、自転車20%の過失割合です(なお、横断歩道の端から外側に1~2m離れた場所や、横断歩道が停止車両により閉鎖されている場合の当該車両の前後は横断歩道と同視されます。また、車道上を進行中の自転車との関係では横断歩道に隣接している自転車横断帯も横断歩道と同視されます。よって、横断歩道外とは、それら以外の場所をさします。)。
 設問の歩行者は、赤信号のため、道路の横断を行ってはなりません(道路交通法施行令2条第1項、第4項)。
 上記の基本割合は、青信号で交差点に進行してきた自動車が横断歩道を通過する前に、直近の信号が赤信号であるにも関わらず横断を開始した歩行者に衝突した場合を想定しています(自転車の対面信号が右左折の青矢印信号の場合は自転車にとっては赤信号として扱われます。)。
 一方で、自転車側には、赤信号に違反して道路を横断する歩行者があることまで予見すべき注意義務は存在しないため、上記の割合は、自転車側に軽度の前方不注視やブレーキ操作不適切等の安全運転義務違反(道路交通法第70条)が存在することを想定しています。
  以上を前提に、事故現場が住宅街・商店街等か否か、歩行者が児童・高齢者、幼児・身体障害者等か否か、集団横断の有無、歩車道の区別の有無、自転車の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。  
 なお、横断歩道は無いものの信号機が設置されている交差点の直近の事故についても、上記の基本割合の適用が可能です。 
 また、歩行者が自転車の直前に飛び出すような場合には、過失が存在しないとして自転車側が免責されることもあります。

                             以上

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