交通事故Q&A 歩行者と自動車の事故(横断歩道付近の事故6)

信号機の設置されている横断歩道直近の事故

 道路上で、歩行者と自動車との衝突事故が起きました。
 具体的には、信号機がある交差点で、対面信号(歩行者正面の歩行者用信号機)が赤信号のときに横断歩道外の場所を渡ろうとした歩行者(以下、「歩行者」といいます。)と、車両用信号機が青信号の時に右折(又は左折)してきた自動車(以下、「自動車」といいます。)との衝突事故です。
 なお、歩行者と自動車が衝突したのは、自動車が横断歩道を通過した後です。
 この場合の過失割合について教えてください。 

 基本、歩行者70%、自動車30%の過失割合です(なお、横断歩道の端から外側に1~2m離れた場所や、横断歩道が停止車両により閉鎖されている場合の当該車両の前後は横断歩道と同視されます。よって、横断歩道外とは、それら以外の場所をさします。)。
 上記の基本割合は、青信号で交差点に右折(又は左折)を行ない進行してきた自動車が、横断歩道を通過したあと、直近の信号機が赤信号の時に横断を開始した歩行者と衝突した場合であること、また、歩行者が横断歩道によって道路を横断すべき規制に違反していること(道路交通法第12条第1項)を前提としています。
 以上を前提に、事故現場が住宅街・商店街等か否か、歩行者が児童・高齢者、幼児・身体障害者等か否か、集団横断の有無、歩車道の区別の有無、自動車の著しい過失(自動車の速度が制限速度を超えていない場合でも、通常の右折(又は左折)に比べて特段に速い速度の場合は、著しい過失と考えられます。)・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。 
  なお、自動車が青信号で交差点に進入し、黄信号に変わってから右折(又は左折)をした場合も上記基本割合と同様に扱われます。

 また、横断歩道は無いものの、信号機が設置されている交差点の直近の事故についても上記の基本割合の適用が可能です。
                            以上

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