横断歩道上の事故(歩行者と右折(左折)自転車7)

信号機がある交差点の事故(歩行者青信号で進入後、赤信号に変わる 自転車赤信号で右折(左折))


 道路上で、歩行者と自転車との衝突事故が起きました。
 具体的には、信号機がある交差点で、対面信号(歩行者の正面)が青信号のときに横断を開始した歩行者(以下、「歩行者」といいます。)と、赤信号で右折(又は左折)してきた自転車(以下、「自転車」といいます。)が、横断歩道上で歩行者と衝突しました。
 なお、歩行者が横断歩道を通行している途中で対面信号は変わり、衝突したときには赤信号でした。 
 この場合の過失割合について教えてください。

 基本、歩行者0%、自転車100%の過失割合です(信号の表示が赤点滅信号や黄点滅信号の場合は対象外です。)。
 上記の基本割合は、青信号で道路の横断を開始した歩行者が、途中で青信号から黄信号、更に赤信号に変わった時点で、赤信号で右折(又は左折)を行ない進行してきた自転車に衝突された場合を想定しています(歩行者信号の青点滅は、黄信号と同一に扱われます。また、自転車の対面信号が右折の青矢印信号の場合、右折する自転車にとっては赤信号と同様に扱われます(道路交通法施行令第2条第1項)。)。
 道路を横断中の歩行者は、黄信号に変わった時点で、速やかに横断を終了する、又は横断をやめて引き返さなければなりません(道路交通法施行令第2条第1項)。
 しかしながら、(自転車が)赤信号に違反していることに加えて(道路交通法施行令2条第1項)、横断歩道を横断している歩行者がいる場合、自転車は直前で一時停止を行い、歩行者の通行を妨げないようにする義務が課せられていることも考慮の上(道路交通法第38条等)、原則、上記の割合となります。
 以上を前提に、事故現場が幹線道路か否か、歩行者の直前直後の横断、佇立・後退の有無、児童・高齢者、幼児・身体障害者等か否か、集団横断の有無、自転車の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。 
 なお、自転車が右折を行う場合には、二段階右折を行うことが義務付けられています(道路交通法第34条第3項)。自転車がこの二段階右折を行っている場合には、上記基準とは別に、個別事情を踏まえて検討することになります(上記基準は、右折自転車の右折方法違反が前提となっています。)。

                             以上

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