交通事故Q&A 歩行者と自転車の事故(車道での事故4)

歩車と車道の区別のない道路

 歩行者と自転車との衝突事故が発生しました。
 具体的には、車道の左側端を通行していた歩行者(以下、「歩行者」といいます。)と、車道を走行していた自転車(以下、「自転車」といいます。)との衝突事故です。
 この道路は歩車道の区別がなく、歩道等(歩道、又は歩行者の通行に十分な幅員の路側帯(概ね1m以上))が存在しません。
 この場合の過失割合について教えてください。

 基本、歩行者5%、自転車95%の過失割合です。
 側端とは(当該道路の幅員、道路状況により異なりますが)、端から概ね1m以内が該当します。
 歩行者は、歩道と車道の区別のない道路を通行する場合、道路の右側端に寄って通行しなければなりません。
 上記の基本割合は、歩行者が左端側通行を許されていない場合に、左端側通行を行い、かつ、右端側を通行していれば事故を容易に回避できていた場合など、左端側通行と事故との間に因果関係があることを前提としています(歩行者の左端側通行と事故との間に因果関係がない場合はは適用外です。)。
 一方で、歩行者が左端側通行をしている場合でも、自転車には、歩行者との間に安全な間隔を保つこと、又は徐行するなどの注意をすることを定められています(道路交通法第18条第2項)。
 上記の基本割合を前提に、歩行者が児童・高齢者、幼児・身体障害者等か否か、歩行者の予想外のふらふら歩き、集団通行の有無、自転車の著しい過失・重過失の有無等の個別事情により基本割合が修正されます。

 なお、歩行者が1mに満たない路側帯であろうとも、路側帯を通行している場合は、上記基本割合の対象外です。

                                以上

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