交通事故Q&A 一時停止規制のあるT字路交差点の事故(右折車同士の事故)

信号のないT字路交差点事故

  信号のないT字路の交差点で自動車同士の事故が発生しました。
  直線道路から右折をした自動車(以下、「直線路右折車」といいます。)と、突き当たりの交差点で右折をした自動車(以下、「突き当たり路右折車」といいます。)の衝突事故でした。
  事故が発生した交差点は、突き当たり道路に一時停止の規制がありましたが、優先道路等の規制は存在しません。
 この場合の、過失割合について教えて下さい。


 基本、直線路右折車25%、突き当たり路右折車75%の過失割合です。
 道路標識等により一時停止の指定がされている交差点では、停止線の直前で一時停止を行う義務があります。設問の突き当たり路右折車は(第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか)一時停止を行い、交差道路を通行する車両等の妨害をしてはなりません(道路交通法第43条)。そのため、一時停止の規制がない直線路右折車が優先されます(突き当たり路右折車に一時停止義務違反があることが前提です。)。しかし、右折の場合、直進する場合に比べ優先度は低くなります(※T字路交差点の一時停止の規制のない直線直進車と、一時停止の規制がある突き当たり路右折車の事故の場合、一時停止の規制のない直線直進車15%、一時停止の規制がある突き当たり路右折車85%の基本割合です。)。
 また、設問の事故の場合、双方に道路交通法第34条第2項の徐行義務が課されています。そのため双方に、徐行(右折車としての通常の速度であり、必ずしも法律上要求される徐行でなくても良いものと考えられています。)又は減速を行っていることが前提となっています。
 以上を前提に、突き当たり路右折車の一時停止後の進入、その他双方の著しい過失・重過失有無等の個別事情により基本割合が修正されます。

 なお、上記の基本割合は、一方が明らかに広い道路と狭路との交差点で、狭路側に一時停止の規制がある場合にも適用されます。
 また、双方が十分な徐行を行い、双方ともに相手車両の動静をうかがいながら先行関係を判断したり、一方の合図により先行関係を判断する必要がある場合は、上記の基本割合によるのではなく、個別事情に応じた判断が妥当と考えられています。 
                                         以上

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