交通事故Q&A 交差点事故(優先道路の右折車と追越直進車)

追越しが禁止されていない交差点事故

 交差点で前方の自動車を追越そうとした自動車(以下、「追越車」といいます。)と、交差点で右折態勢に入った自動車(以下、「右折車」といいます。)が衝突しました。
 この交差点は優先道路であり、追越車は道路中央(中央線)を超えて追越しを行い、一方で右折車は、右折の合図を出しているが、あらかじめ道路中央には寄っていませんでした。
 この場合の過失割合について教えて下さい。


 基本、双方とも50%の過失割合です。
 優先道路を走行している場合、交差点内でも追越しが許可されています(道路交通法第30条3号)。
 上記の基本割合は、追越車には、追越しのために道路中央を超えることが許されないにもかかわらず、道路中央を超えて無理な追越しをしたこと(道路交通法第17条第4項、同条第5項4号の違反)、一方で右折車には、合図は出していたものの道路中央によらずに右折をしたことに対し過失があること(道路交通法第34条第2項の違反)が前提です。
 以上を前提に、右折車の合図や追越車の著しい速度違反の有無、その他双方の著しい過失・重過失有無等の個別事情により過失割合が修正されます。
 なお、追越車が道路中央線を超えていない場合や、右折車が道路交通法第34条第2項、第53条第1項、第2項、道路交通法施行令第21条等の注意義務を完全に履行していて過失が存在しない場合、上記の基本割合は該当しません。  

                                  以上

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