・加害者が治療費等を支払わないときの対処方法
① 自賠法16条1項に基づく被害者請求権を行使して損害賠償額の支払いを受ける
方法
② 自賠法17条に基づく仮渡金の制度を利用する方法
③ 裁判所に仮払い仮処分の申立をする方法
被害者は、まず自賠法上の上記①、および②の請求を検討する必要があります。①、
②については以下の限度額があります。
①の限度額 傷害・120万円 後遺障害・その程度に応じて75万円~4000万円
②の限度額 死亡事故・290万円 傷害事故・その程度に応じて5万円~40万円
加害者の対応に不満を感じ、裁判所に訴訟を提起することを考慮している場合、③の
申立を裁判所にすることが出来ます。
加害者が任意に治療費等を支払わないときには、被害者が訴訟を提起して判決を受け、
その判決に基づいて強制執行を行わなければなりませんが、裁判が終結するまでには相
当の時間を要します。その為、被害者の治療が継続不能になり、回復しがたい損害が発
生したり、交通事故の障害により働くことができず、その結果生活苦に陥り、急迫の危
険が発生したりすることが考えられます。
このような状態に置かれた被害者を救済するために、仮払い仮訴分の制度を利用して、
加害者に対して損害賠償の一部を仮に支払う命令を出すことを裁判所に求めることがで
きるのです。
・仮払い仮処分のメリット
① 加害者に対して被害者への金員の支払いを命じるので、被害者は支払われた金員の
限度で損害賠償の支払いを現に受けたことと同じ結果を得られます。
② 被害者は権利の存在についての疎明が求められ、また、加害者は審尋が行われるた
めに、事実関係に争いが少ない案件については、審尋手続において任意の内払いの合
意や和解が成立することがあります。
・仮払い仮処分命令の申立て
仮払い仮処分命令は、事件の当事者の住所、居所、事故発生地の管轄裁判所に申立て
ます。
被害者は、裁判所に対し、損害賠償請求権の存在とその金額、そして緊急性について
疎明しなければなりません。そのため、下記の資料をそろえる必要があります。
① 事故の発生・態様(交通事故証明書、実況見分調書の写し、など)
② 損害の発生(診断書、治療費の請求書・領収書、治療に関する医師の意見書、休業
証明書、源泉徴収票等、生活状況に関する報告書)
③ 仮処分命令の必要性(生活状況に関する報告書、治療継続の必要性に関する医師の
意見書、加害者側との交渉経過等)
裁判所は、これらの疎明資料を審理し、当事者との審尋を行ったうえで、申立てに理
由があると判断したときに、仮払金額と支払方法を決定し、仮払い仮処分命令を発令し
ます。
裁判所は、被害者の治療費、被害者、およびその家族の生活費について、治療終了ま
での見込み期間、後遺障害の残存の可能性等を考慮して仮払金の具体的な額、および期
間を決定します(仮払期間終了後、なお仮払いを受ける必要がある場合は、改めて仮払
命令の申立てを行うこととなります)。
また、裁判所から仮払いを命じられた加害者等が、その後も任意に仮払金を支払わな
い場合は、被害者は仮処分命令を債務名義として債務者の資産を強制執行することがで
きます。
以上
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