死亡事故/逸失利益・年金の注意点

 以下では、死亡事故に遭い、年金の逸失利益を請求する場合に生じる問題点をQ&A方式で紹介します。

 

Q1

  年金の逸失利益は認められるのでしょうか。

 A

 国民年金、厚生年金、障害年金等、被害者が保険料を拠出しており、家族のための生活保障的な性質をもつものについては、逸失利益が認められます。

 なお、老齢年金等に属する年金であっても、扶養家族の有無などを理由として支給される加給年金等は、逸失利益算定の基礎収入額から除外されます。

 

Q2

 遺族年金についても逸失利益は認められますか。

 A

 設問のように、遺族年金など受給者の保険料負担のない社会保障的な性質を有するものは、逸失利益が否定されます。     

 

Q3

 年金収入に加えて稼働収入がある場合、生活費控除率はどのように算定されますか。

 A

 稼働収入の逸失利益も認められる場合の損害方法には、主に次の2方式があります。

1.稼働収入のある期間は稼働収入との合計額をもとに稼働収入による逸失利益算定の場合の生活費控除率による算定をし、その後の年金収入だけの期間はより高率の生活費控除を行う方法

2.稼働収入の逸失利益と年金逸失利益を分離して、年金逸失利益については稼働逸失利益より高い生活費控除率で算定する方法

  

 以上で述べた内容を簡単にまとめると以下のとおりです。

(逸失利益の)肯定例

・国民年金

・厚生年金

・障害年金

 (逸失利益の)否定例

・遺族年金(受給者に保険料負担はなく、社会保障的な性質を有しているため)

                                         以上

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