交通事故は大きく分けると、人身事故に伴って発生する場合と、人身事故を伴わない場合に分けることができます(※)。
人身事故との比較として、
・自賠法3条の適用
人身事故→有
物損事故→無
・自賠責保険の適用
人身事故→有
物損事故→無(眼鏡等身につけて身体の機能を補助するものは除きます。)
(※)人身事故に伴って発生する場合、交通事故証明書には、人身事故と表記されます。
物損事故の注意点として、被害者は、交通事故証明書上に記載された当事者ではなく、物の所有者(ないし使用者)なります。
その他、人身事故を伴う物損事故の場合に注意すべき点として、「示談」が挙げられます。
すなわち、人身事故を伴う物損事故の場合、物損部分にかかる示談を先行させるケースが多々あります(※)。
この場合、後に人身事故にかかる過失相殺の認定の際に不利に扱われないよう、留意する必要があります。
(※)任意保険会社の人身と物損の担当は異なるのが一般的ですが、示談の内容等について、情報共有されています
車のボディが少しへこんだだけ、傷が付いただけ、などの軽微な場合、当事者によるその場の示談で済ませようとすることがあります。
しかし、交通事故が起こった際に警察への通報することは、道路交通法によって義務づけられています。必ず警察を呼ぶようにして下さい。
交通事故により、被害者が怪我(又は死亡)をした場合、被害者(又は被害者の遺族)は慰謝料の請求を行うことができます。
ただし、物損事故(怪我のない事故)の場合、原則、慰謝料の請求は認められません。
物損事故の場合、人身事故と違い、自賠責保険による保険金の支払いはありません。自賠責保険の補償対象は人身損害だけのため、物損事故では保証の対象外になります。
交通事故により、事故車両の修理、又は買替えの間レンタカーなどの代車を使用し、代車費用が発生した場合、相手方に対して代車費用を請求することができます。
ただし、①現実に代車を使用したこと ②代車使用に必要性があること(※)、この二つが要件となります。
※必要性について
(1)営業車として使用している場合。(ただし、予備の車を所有し、それを使用すれば営業に支障がない場合は認められません。)
(2)通勤や通学に使用が不可欠な場合。(代換えの交通手段(バスや電車など)がないこと)
(3)レジャーや趣味の為だけに自動車を使用していた場合、代車費用の請求は難いとされています。