関節可動域表示　測定法の原則（４）

・測定値の表示

 

１　関節可動域の測定値は、基本肢位を０度として表示します。例えば、股関節

　の可動域が屈曲位２０度から７０度の場合、この表現は以下の２通りになりま

　す。

 

（ア）股関節の関節可動域は屈曲２０度から７０度（又は、屈曲２０度～７０度）

 

（イ）股関節の関節可動域は、屈曲は７０度、伸展は－２０度

 

２　関節可動域の測定に際、症例によって異なる測定法を用いる場合、その他関節

　可動域に影響を与える特記すべき事項がある場合は、測定値と共にその旨併記し

　ます。

 

（ア）自動運動を用いて測定する場合は、その測定値を

　　①（　）で囲んで表記する

　　②「自動」、又は「active」などと明記します。

 

（イ）異なる肢位を用いて測定する場合は、「背臥位」、「座位」などと具体的

　　に肢位を明記します。

 

（ウ）多関節筋を緊張させた肢位を用いて測定する場合は、その測定値を〈　〉

　　で囲んで表示しますが、「膝伸展位」などと具体的に明記します。

 

（エ）疼痛などが測定値に影響を与える場合は、「痛み」、「pain」などと明記

　　します。

 

・その他留意すべき事項

１　測定しようとする関節は十分に露出する。特に女性の場合には、個室、更衣

　室の用意などが必要となります。

 

２　被測定者に精神的にも落ち着かせる必要があり、測定の趣旨をよく説明する

　と共に、気楽な姿勢をとってもらいます。　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上