・自賠責保険損害賠償額
1 古い時代の実務では、遅延損害金の請求にあたっては、被害者が自賠責保険
から受領した自賠法16条1項の請求に基づく損害賠償額は、そのままの金額
を元本から控除し、残額のみに対する遅延損害金を請求していました。
2 しかし、近時の最高裁判例は、事故時から損害賠償額を受領した時点までの
遅延損害金が消滅する理由がないとの考え方を採用しました。これに対応して、
支払いを受けた金額を損害賠償請求権の元本から控除するものの、支払いの時
点までに発生済の遅延損害金(確定遅延損害金)を別途請求する方式が一般化
してきました。
3 さらに、損害賠償債権全額が払われていない以上、民法491条1項の定め
る法定充当規定に基づいて元本への充当がなされるべきだとする論が強まり、
最高裁は、法定充当(遅延損害金にまず充当し、残額を元本に充当する)を行
うべきことを肯定しました。
4 以下の3通りの計算方法が考えられます。
ア 確定遅延損害金を別途請求する方式
① 自賠責からの損害賠償額の受領金額のみにつき受領日までの確定遅延損害
金を計算して請求します。元本額から損害賠償額をそのまま控除し、残元本
に対する事故時から支払い済みまでの遅延損害金を請求します。
② 元本全体に対する自賠責からの損害賠償額受領日までの確定遅延損害金を
計算して請求します。元本額から損害賠償額をそのまま控除し、損害賠償額
の受領の翌日から支払い済みまでの遅延損害金を請求します。
イ 法定充当する方式
元本全体に対する自賠責からの損害賠償額受領日までの遅延損害金を計算
して自賠責からの支払いを充当します。残った額を元本額から控除し、残元
本に対する損害賠償額の受領の翌日から支払い済みまでの遅延損害金を請求
します。
以上
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